栄養学 -Nutrition-

人間も動物も食べないと生きていけません。犬猫の栄養学についてですが、人間と大きく違いはありません。

目次

  1. 6大栄養素とは?
  2. 炭水化物
  3. タンパク質
  4. 脂質
  5. ビタミン
  6. ミネラル
  7. 食事量の計算

1. 6大栄養素とは?

みなさんご存知の3大栄養素、炭水化物・タンパク質・脂質にビタミン・ミネラルを加え5大栄養素となります。水を加えて6大栄養素と言うそうです。

  • 炭水化物
  • タンパク質
  • 脂質
  • ビタミン
  • ミネラル

2. 炭水化物

まずは、炭水化物。

3大栄養素の一つ、炭水化物は炭素Cと水素Hと酸素Oのみで構成されています。分子式は CmH2nOn で表され、動物が活動するためのエネルギー源となります。

炭水化物は大きく分けて、糖質と食物繊維に分類されます。糖質はさらに、単糖類、少糖類、多糖類に分類され、食物繊維は水溶性と不溶性に分類されます。

糖質 単糖類

グルコース(ブドウ糖)、フルクトース(果糖)、ガラクトース、、、

少糖類

ラクトース(乳糖)、マルクトース(麦芽糖)、オリゴ糖

多糖類

デンプン、グリコーゲン

食物繊維 水溶性食物繊維

フルクタン、ガラクタン、マンナン、ペクチン、ガム、、、

不溶性食物繊維

セルロース、ヘミセルロース

多糖類や少糖類は消化酵素によって、単糖類に分解されてから吸収され、血中に到達。

ブドウ糖や果糖はすぐに吸収され血糖値が上昇し、デンプンやグリコーゲンはゆっくり吸収

不溶性食物繊維は、水に溶けずに水分を吸収してふくらみ、便のカサを増やして腸の働きを刺激。乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌のエサとなり、菌を増やしておなかの調子を整える。

穀類、野菜、豆類、キノコ類、果実、海藻、甲殻類(エビやカニ)の殻にも含まれます。

水溶性食物繊維は、

粘着性により胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。
・吸着性
胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排泄します。
・発酵性
大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。

大麦やわかめ、こんぶ、こんにゃくなどに多く含まれます。

3. タンパク質

タンパク質の働き

・構造性タンパク・・・筋肉、皮膚、骨、血管などなど、、、

・機能性タンパク・・・体内の酵素など

・血清タンパク・・・アルブミン、グロブリン

食物として摂取したタンパク質や体内の消化酵素によりアミノ酸に分解され、吸収されます。

必須アミノ酸

必須アミノ酸とは、体内で合成できないアミノ酸です。

1 リジン ヒトの必須アミノ酸
2 スレオニン
3 トリプトシン
4 ロイシン
5 バリン
6 フェニルアラニン
7 メチオニン
8 イソロイシン
9 ヒスチジン

1〜8に加えイヌの必須アミノ酸

※ヒトは成長期に必要

10 アルギニン
11 タウリン

1〜10に加え猫猫の必須アミノ酸

欠乏すると網膜症や心筋症を発症する。

 

4.脂肪と脂質

脂肪・脂質の働き

エネルギー源、皮下脂肪(臓器を守る)、細胞膜の成分、ホルモン

重要な脂質

コレステロール(cho) ・・・ 細胞膜の成分、ホルモンの母体

リン脂質(PL) ・・・ 細胞膜の成分

中性脂肪(トリグリセリド)(TG)

遊離脂肪酸(FFA) ・・・ TGがリパーゼにより分解したもの

必須脂肪酸

必須脂肪酸には、オメガ3系とオメガ6系があります。オメガ6系は普通のsh区生活で摂取できるが、オメガ3は不足しがちです。

オメガ3 オメガ6

エイコサペンタエン酸(EPA)

ドコサヘキサエン酸(DHA)

α−リノレン酸

リノール酸

アラキドン酸

魚や亜麻仁油に多く含まれる。 植物油に多く含まれる。

※イヌの必須脂肪酸 ・・・ リノール酸、α−リノレン酸

※ネコの必須脂肪酸 ・・・ リノール酸、α−リノレン酸、アラキドン酸

5.ビタミン Vitamin

ビタミンは大きく分けて脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンに分類される。

・脂溶性ビタミン : ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK

・水溶性ビタミン : 脂溶性以外の全て。

水溶性は尿として排出されるが、脂溶性は体内に貯まりやすいので中毒に注意! 

※危険度 → A>D>K>E (特にAは10倍の量で危険!!)

ビタミン○は通称名なので、正式名称が存在する。

通称 正式名称 欠乏症 過剰症 備考 所在
ビタミンA レチノール

眼症状、

夜盲症、

成長不良

骨の発達異常

目のビタミン。retina = ギリシャ後で網膜を意味する。

植物食品の中にβカロチンが含まれており、食べると体内でレチノールに変化する。

牛乳、卵黄、肝臓、肝油

ビタミンD

エルゴ カルシ フェロール

コレ カルシ フェロール

骨疾患(くる病、骨軟症)

軟組織の石灰化

骨のビタミン。

日光(紫外線を皮膚に浴びないとビタミンDは活性化されない)

牛乳、卵黄、肝油、

ビタミンE トコフェロール

不妊

黄色脂肪症(ネコ)

抗酸化ビタミン 小麦胚芽、植物油
ビタミンK メナキノン 血液凝固異常、出血 様々な食品に含まれているので欠乏しにくいが、食欲が低下していて、抗生物質を使用している場合は欠乏のおそれあり。 小麦胚芽、種実、アルファルファ
ビタミンB1 チアミン 神経症状(麻痺)、脚気 エネルギー産生を促す補酵素(TCAサイクル) 穀類、米ぬか、麩、酵母
ビタミンB2 リボフラビン 口角炎、口内炎

黄色い色素を持つ。

炭水化物、タンパク質、脂質などの代謝に必要な補酵素。

脱脂乳、油かす類

ビタミンB6 ピリドキシン 貧血

特にタンパク質の代謝に必要な補酵素。

タンパク質の要求量の高いネコはビタミンB6の要求量も多い。

酵母、肝臓、牛乳

ビタミンB12 シアノコバラミン 悪性貧血

赤い色素を持つ。

コバルト(Co)がビタミンB12の構成成分。

魚粉、発酵副産物

ビタミンC アスコルビン酸 壊血病

 不足すると、体内でコラーゲンを合成できない。

ヒト、サル、モルモットなどは体内でビタミンCを合成できない。

 

その他のビタミン

・葉酸(フォラシン、ホラシン) ・・・ 緑草類のビタミン。欠乏すると貧血を起こす(特に女性)。

・ビオチン ・・・ 美のビタミン。欠乏すると毛、皮膚、爪などに異常。

・ナイアシン(ニコチン酸) ・・・ 口のビタミン。欠乏するとイヌでは黒舌病、人ではペラグラ。

6.ミネラル

体に重要なミネラル ・・・ カルシウムCa、リンP、マグネシウムMg、ナトリウムNa、カリウムK、鉄Fe、銅Cu、亜鉛Zn、セレンSe、コバルトCo

カルシウム ・・・ 骨、歯などの構成に不可欠。

          過剰摂取で大型犬は骨格異常。

          欠乏すると、骨の異常、痙攣、興奮

CaとPの関係

Ca × P = 一定 → カルシウムリン積比

もしもPが過剰だとCaが減らされてしまう!

ヒト、イヌ、ネコの正常値

Ca → 10mg/dl 

P → 5mg/dl

CaとMgの関係

・Caの過剰でMgは吸収阻害

・Mg欠乏で痙攣

Ca、P、Mgはバランスよく摂取することが重要!!

ナトリウムNaとカリウムK

Naは細胞外、Kは細胞内に多く分布

鉄Fe

・欠乏で貧血(鉄欠乏性貧血)

・子豚、子犬、子猫などで起こりやすい

・ヒトの女性でも多い

7. 水

8. 食事量の計算