ペットの皮膚疾患 〜寄生虫編〜

皮膚疾患の主な原因は以下があげられます。

本章では寄生虫由来の皮膚疾患について取り上げます。

・感染 :細菌(膿皮症 etc…)、真菌(マラセチア性皮膚炎 etc…)、寄生虫(疥癬耳疥癬 、ニキビダニ症etc…)

・刺激 :紫外線、暖房機器による低温やけど

・内分泌異常 :甲状腺機能低下症、副腎皮質機能低下症、エストロゲン過剰症

・免疫異常 :アレルギー疾患、自己免疫性疾患

・遺伝 :肉芽腫性脂腺炎、家族性皮膚筋炎、毛周期停止(脱毛症 X)、亜鉛反応性皮膚炎

・腫瘍 :表皮、毛包、毛包付属器、真皮、皮下組織、血液

・代謝異常 :黄色脂肪腫、代謝性上皮壊死症、亜鉛反応性皮膚炎、

・行動異常 :舐性皮膚炎、心因性脱毛

 

疥癬

「疥癬」の画像検索結果

ヒゼンダニが皮膚内に寄生することによって起きる。

小動物の中でもっとも強い掻痒感が認められる。

原因

イヌ:センコウヒゼンダニ

ネコ:ショウセンコウヒゼンダニ

宿主特異性が高い(=決まった動物種にしか寄生しない)が一時的に人間に寄生することもある。

症状

・激しい掻痒

・慢性化で元気消失、沈鬱、リンパ節腫脹、丘疹、脱毛、膿皮症、苔癬化、色素沈着

・顔面、耳介、腹部、肘、飛節など毛の少ない場所におおく見られる。

治療

・シャンプー

・注射(イベルメクチン)

・外用薬(セラメクチン、フィプロニル、IUPAC、硫酸サリチル酸)

・経口薬(イベルメクチン、ミルべマイシン)

耳疥癬

「ミミヒゼンダニ」の画像検索結果

ミミヒゼンダニ(先述したヒゼンダニとは異なる)が外耳道に寄生することで起きる。

人にも寄生する。

症状

・強い掻痒感

・黒くてボロボロのコーヒーカス状の耳垢

治療

・点耳薬による局所療法(イベルメクチン、フィプロニル)

・イベルメクチン製剤の内服

・セラメクチン製剤のスポットオン

など

ニキビダニ症(毛包虫症)

Haarbalgmilbe.jpg

ニキビダニの感染により起こる。

ネコでは稀。イヌに多い。

健康なイヌにも少数寄生しているが、宿主の免疫機能の影響によって悪化する。

症状

・脱毛。脱毛部の発赤・色素沈着。

・鱗屑

・毛包円柱(毛の束)

・面ぽう(にきび)

・二次的な細菌感染により、毛包炎起こすと紅色丘疹、膿疱などが生じ脱毛や腫脹とともに鱗屑滲出、血痂(かさぶた)、疼痛などが認められる。

若年発症性と成犬発症性があり、成犬発症性は重篤化することが多い。

治療

若年発症性は駆虫と二次的な細菌感染に対する治療、毛包洗浄作用のあるシャンプーによって軽快することが多い。成犬発症性では発症の背景として内分泌疾患、消耗性疾患、免疫抑制剤の投与などが挙げられ、駆虫とともに背景疾患の治療が必要となる。背景疾患が不明である場合、継続的に駆虫薬の投与が必要となる。駆虫薬にはイベルメクチン、ミルべマイシン、モキシデクチンなどが使用される。

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